モチーフはヒッポグリフ(2)で、鷲の翼と上半身、ライオンの下半身を持つ伝説上の生物グリフィン(1)と雌馬の間に生まれた伝説の動物です。
身体の前半身が鷲、後半身が馬と言われているようですが、これは面白いことに頭部が鷲で首、足が馬、尻尾はライオンで胴体には鷲の羽がありますから、鷲、ライオン、馬の合体と言えるまか不思議な動物です。
ヒッポグリフは『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』に登場していますが、グリフィンが馬を好んで食べるということから、ありえないもの(天敵と被食者のハーフ)の代名詞とも言われています。
グリフィンは、黄金を発見し守るという言い伝えから、「知識」を象徴する図像として用いられ、また、鳥の王・獣の王が合体しているので、「王家」の象徴として紋章にも使われていますし、そのグリフィンと馬の合体したヒッポグリフは、非常に誇り高いとされています。
これらのことから、このヒッポグリフの円形印章は、アレキサンダー大王の東方遠征で大王に従属した、オリエントのどこかの王家の物だった可能性さえあるのです!!
この円形印章に使われているオレンジアゲートは、未だかつて見たことの無い非常に珍しい石です!
まるで木目のような模様に浮かび上がるヒッポグリフは、英雄アレキサンダー大王の軍勢の来襲により、風雲急を告げる王国を象徴しているようではないですか!古代のインタリオは、均一な色合いの小綺麗な石とは違う何かをイメージさせる不思議な魅力を持った石を使っているものですが、この石は正にギリシャとオリエントの融合のグレコペルシャの印章に相応しい石だと思います。
大きさと裏の形状から、このインタリオは印章だった可能性が高いのですが、指輪にセットされているインタリオなどと違い、印章は実用的な物ですから石自体が美しい物はとても少なく、王家にまつわる人物のような身分の高い人物の印章でないとこのように美しい石は使っていないのです!
ルビーやサファイヤなどの貴石やダイヤモンドが宝石として人気を博し、ジュエリーとして出回るのはルネサンス末期からです。
紀元前の場合はこのオレンジアゲートのような自然の美しい造形の石が、インタリオを彫るのに適した硬度であっただけに、ルネサンス末期以降の宝石のように人気を博していたのです!
ダイヤモンドの粉末を使った工具が無かった時代に、膨大な時間をかけてでもこのようなインタリオを硬い石に彫ったのには、そういう理由があったのです。
石に貫通している穴は、印章として持ち歩く為の紐を通すための物です。
ペンダントとして使えるように22金で金具を作ってもらいましたが、これが結構難しい仕事だったようです。現代の宝石のようにきちんとした形ではなく、微妙な形だし、穴もドリルで真っ直ぐに貫通した穴ではないからです。
因みにに古代に於いては、これだけ深い小さな穴を開けるのには、もの凄い日数を掛けて両側から金剛砂を付けたキリで開けているのです!
アレキサンダー大王は征服地にその名に因んでアレクサンドリアと名付けた都市を建設して経済の活性化をはかり、ギリシア文化の浸透を推進しいます。 さらに東西融合に心を配り、自らペルシャ王ダレイオス3世の娘を娶りペルシャ人と部下の集団結婚を奨励もしているのですが、このグレコペルシャのインタリオを見ていると、それも頷けますね。
僕の友人は、三十数年間前に、アフガニスタンのカブールからジープで一週間もかけてガンダーラの仏教美術品を探しに行っていますが、その地域には今でも突然に金髪碧眼の子供がが生まれるそうです。そのあたりはアレキサンダー大王の東方遠征の道すがらなんですよ。そして今はアルカイダの巣窟ですからね〜(笑)。僕はその頃はまだ古代の物は扱っていなかったのが返す返すも残念です!
このグレコペルシャのインタリオは、アレキサンダー大王の東方遠征にまつわる歴的なロマンを秘めた古代の小さな美術品なのです!!
メルマガ会員の皆さんには、こういう物を身につける歓びを知って頂きたいものだと思います。解って頂かなければ僕が使います(笑)。
※参考
過去に扱った同時代の指輪
のびのびする鹿
ゴールドインタリオ リング《椅子に座る女》
監督、脚本:オリバー・ストーン(2004年/アメリカ)の映画「アレキサンダー」は実に面白かったです!(レンタルCD有り)
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