今、デスクにこの指輪を置いて眺めながらキイを叩いていすのですが、何とも言えない綺麗な紫色の石の中に高貴な凛々しい顔の王妃が浮かびあがり、二千年前の世界にタイムスリップしてゆくような不思議な感覚に捕らわれます。
このインタリオは紀元前1世紀から2世紀頃の物ですが、実に美しい透明感のあるアメジストが使われています。この石は紀元前の石としてはとても厚い石を綺麗なカボッションカット(裏側は丸く擦りあげてある)にしてありますが、表のフラットに見える部分も若干の丸味を帯びたカット(薄い半球状)にしてあるのです。そのせいで光が王女の顔に集まり浮き上がって見えるのです。このような光の効果を考えて作られたインタリオは以前にもありました。このインタリオがそうです。小さなコーネリアンのインタリオですがやはり壺が浮き上がって見える素晴らしい作品でした!
石の両面をカボッションカットにしたうえで彫っているからこその効果なのですが、2000年以上も前の職人たちの美しい物を作ろうとする執念のようなものを感じます。もうこれは単なる職人ではなく立派なアーティスティストですね!♪
この時代は鉱山技術も未発達でしたから、宝飾品として使われている石は種類も量も少なく、このアメジストのように透明な綺麗な石のインタリオは極めて希な物なのです。
古代のインタリオのモチーフは神話に基づいたものが圧倒的に多く、それらの物は想像上のモチーフですが、この王妃のインタリオはその特徴ある個性的な顔立ちからして、おそらく実在した王妃の顔を彫った物だと思います。拡大画像を見てみると光の当たる角度によっては、まるで男性ような凛々しい顔なのに驚かされます。でも頭部の髪飾りは紛れもなくこの人物が王妃である事を物語っているのです。
では拡大画像-1でこの『古の王妃』の魅力をご堪能ください♪